脳疲労にお茶を丁寧にゆっくりと
こんにちは、ここのところ寒暖差が激しいですね。
今日の横浜は肌寒く、冬の気配を感じます。
先ほど事務仕事をしながら何気なく流していたTVの情報番組で、脳の疲労とその解消法について取り上げていました。
途中、横浜市磯子区にある林香寺の住職さんがお出になられて、精神科の医師でもある住職さんから瞑想やマインドフルネスについてのお話しがありました。
その中で「お茶を使った瞑想」を取り上げていたのでお伝えしたいと思います。
脳疲労にはお茶を丁寧にゆっくりと
林香寺は臨済宗のお寺ですが、臨済宗の開祖は日本にお茶を広めた栄西禅師ですので、お茶をゆっくり丁寧にいただくことは、日々のお勤めのひとつでもあるのだろうと想像します。
お茶を使った瞑想ですが、お茶を一口、口に含んだらゆっくりと味わい、喉を通って胃に到達するまでをしっかり感じながらいただくというもの。
番組の中では別の先生が、五感が喜ぶことをするのが脳疲労の解消につながるという話もしていました。
その後のコメンテータさんたちの会話の中で「丁寧」という言葉がキーワードとして挙がり、林香寺の住職さんも「丁寧に生きると疲労しようがない」と語っていましたが、確かに丁寧さに欠けると物事は雑になり、人間関係は思い遣りに欠けたものになっていくように感じます。
先日、お客様よりプレゼントのお茶のご用命を受けたのですが、初めてのお客様で、ご友人様へのプレゼントのお茶を探す中で当店に辿り着いてくださったとのことで、お茶をお送りしたあとこんな言葉をいただきました。
「友人にお茶を贈るのに、量販店ではなく丁寧に作られているものが良いなと思い購入しました」
お客様の、贈る方への優しい思い遣りが伝わって参りました。
プレゼントって品物だけではなく、そこに相手の方を思う気持ちが込められていますね。
当店にできるたった一つのことは、飲む方のことを思いながら一杯一杯のお茶を丁寧にお作りするということだけですので、そこを求めてお選びいただけたことが光栄でした。
最近、メタバースや仮想空間という言葉を耳にする機会が増えましたが、バーチャルな空間で人間関係が成り立ってしまう状態に、人のアイデンティティは脳にしかないのではないかと錯覚してしまいます。
ですが決してそんなことは在り得ず、体と脳の働きの乖離が、日々の疲れを生み出しているのではないかと思うときもあります。
瞑想や坐禅は脳の動き(心の動き)を体に留める行いであり、一方で体全体を感じる行いでもあります。
体と心を整えるキーワードはやはり「丁寧」ではないでしょうか。
というと急に毎日を丁寧に暮らすことが素晴らしいことのようにハードルが高くなってしまう感じがあるのですが、栄西禅師が仰っているのはそんな難しいことではなく、「一杯のお茶を丁寧にいただく」ということだけです。
そしてそれが、「茶は養生の仙薬なり」に結ばれていくのだと思います。
栄西禅師の教える「茶は養生の仙薬なり。 延命の妙術なり」は当店の基幹です。
しかしそれは「薬」ではなく、また「道」でもなく。
(飲めばよいというものでもなく、また、かしこまらずにというスタンスです)
飲む方の暮らしの中に、丁寧に根差すお茶でありたいと願うものなのです。
話が長くなってしまいましたが、今日のような肌寒い日。
温かいお茶を煎れたら、お茶が温かいうちに、ゆっくりと五感で感じ取りながら、一口いただいてくださいますように。
それが当店のお茶であれば、幸甚の至りに存じます。
ありがとうございました。
暦のお茶 烏兎
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