平安時代の気分で「麦湯」烏兎さんの今日の一杯は麦茶の話です

こんばんは。
今日は5月も真ん中の15日の金曜日ですが、今週の横浜は暑い日が続いていました。
皆さまの地域ではどのような気候でしょうか?
暑さに負けないでくださいね!

烏兎さんの今日の一杯は麦茶です

今週は朝の天気予報でテレビから「今日は夏日です」なんて声が聞こえてきて、マスク着用での外出が暑くて大変な日もありました。

それでも朝晩の爽やかな風は5月らしく、「風薫る五月」の空気を楽しんでおります。

さて、5月の節入り(立夏)に再販させていただいた暦のお茶夏「清夏」

関東地方が暑いおかげで(?)おかげさまで少しずつお客さまのもとへ嫁いで行っております。

夏のお茶だけの抹茶入りベースがあるため、昨年もほとんどのオーダーが抹茶入り緑茶か抹茶入り玄米茶だったのですが、夏の季節の飲み物では隠れた実力者の「麦茶」もお勧めです。

というわけで今日は麦茶のお話をしたいと思います。

実はすごい麦茶のお話

麦茶というととても庶民的な飲み物のイメージで、お子さんのいるご家庭では、季節を問わず冷蔵庫に麦茶が冷やしてあるというおうちも少なくないのではないでしょうか?

あまりにも普通すぎるせいか、当店のベースの中で圧倒的にオーダーの少ないお茶になります。

それでも取り扱いを外さないのは、実は麦茶は隠れた実力者だからなんですよ😁

麦茶の種類

その前に、一口に麦茶といっても、実はいくつかの種類があります。

こちらでも書かせていただいていますが、当店の素材でおなじみの「ハトムギ」も焙煎すると麦茶となります。

ですがこちらでも書いているように、ハトムギと麦茶の素材である大麦は少し異なります。

麦茶は大麦を使ったものですが、主に飲まれているのが「六条大麦」、そのほかにも「二条大麦」を使ったものや、煮出しで使われることが多い「はだか麦」などがあります。

画像引用:農林水産省

面白いのは地域によって飲む麦茶の種類が異なることです。
関東では六条麦茶が多いようですが、西日本では二条麦茶を飲むところが多いそうですよ。

ではそんな麦茶のはたらきをみていきましょう。

麦茶のはたらき

全国麦茶工業協同組合のホームページに記載されている麦茶の効能を抜粋します。

  • 胃の粘膜を保護し糖尿病の合併症を防ぐ
  • 発ガン性物質にも効果を発揮
  • 血液をサラサラに
  • 血圧請降下作用のあるギャバ(GABA)の研究が進んでいる
  • 酸化作用で生活習慣病の予防

全国麦茶工業協同組合より
※それぞれ大学等の研究機関によって論文等が公開されています。詳細は全国麦茶工業協同組合さんのサイトまで

羅列すると「へ~、そうなんだ」で終わってしまいそうですが、烏兎さんが注目しているのは「胃の粘膜を保護」という点です。

麦茶には傷ついた胃の粘膜を修復するはたらきがあるそうです。
日頃疲れがちな胃にこの作用は嬉しいですね。
また、飲食店で麦茶が出るのも、理に適っているわけです。

そのほかの特徴ではミネラルが豊富でタンニン、カフェインを含まない低刺激であることから、安心して子どもさんに飲ませられますね。

麦茶の歴史

縄文時代末期に日本に渡ったとされる大麦は、すでに原始農耕のころから炒ったものを湯に浸して飲んでいたそうです😲

その後、「麦湯」と呼ばれるようになったその飲み物は、平安時代には貴族の間で愛飲され、戦国時代には戦の最中にも飲まれ、やがて庶民の間に広がっていき、江戸時代には麦湯売りの屋台が町に出始めました。

この麦湯屋さん、面白いのは売り子さんが若い女の人だったそうですよ。
麦湯売りは現在の喫茶店の原型といわれていますから、当時からウエイトレスさんがいたんですね。

麦湯を飲みながら若い女の子とお話しするお店だったそうなので、今も昔も・・・という感じですね。

その後、珈琲の登場や喫茶店の普及によって麦湯屋さんは淘汰されていくのですが、麦湯はそれでも消えることなく、麦茶と名前を変えて家庭の中で飲まれるようになりました。

当時は今のようなパックになったものはなく、大麦を大きなヤカンで煮出していましたので作るのは大変だったのではないかと思うのですが、それでもずっと飲み継がれてきたのは、やはり麦茶の美味しさと効果効能があってこそだと思います。

その後、水出しで飲める麦茶のパックが販売されたことで、さらに麦茶を作るのが容易になりました。
今も多くの家庭で麦茶は飲まれています。

こうして改めてみてみると、大昔から日本で麦茶が飲まれ、そして廃れることも消えることもなく続いてきたのには理由があることがわかりますね😊

麦茶、漢方では

さて、そんな麦茶。
東洋医学の観点ではどんな存在なのでしょう?

漢方では、大麦はこのようになっています。

  • 五味:甘・鹹
  • 五性:微寒
  • 帰経:脾・胃

体を冷やす、温めるでは基本的には涼性で体を冷やす飲み物になります。ただ、焙煎の具合で温性に傾いていることもあるので、微温性とする考え方もあります。
烏兎さんは麦茶は涼性だと思います。

麦茶のはたらきは、体内にこもった熱を冷まして余分な水分を排出します。

ハトムギ(ヨクイニン)と大麦ははたらきが似ていますが、はたらきとしては大麦よりもハトムギの方が力が上だと思います。

ですが、特に夏場、体にこもった熱を冷ますのにこんなに身近で簡単に飲めるものはありませんので、ぜひ麦茶の力を知ってもらえたらと思います。

麦茶のおススメの飲み方

さて、そんな麦茶の、烏兎さんお勧めの美味しい飲み方を。

麦茶というとパックをポンと麦茶ポットに入れたり、少し丁寧に作ってヤカンで煮出したり、もう少し気を使う方は大麦をしっかり煮出して作っているかもしれませんね。

それでも、この飲み方には敵わないでしょうと烏兎さんが思うのは、お茶を煎れるように煎れて熱い麦茶を飲むことです。

麦茶の茶葉を急須に注いで(パックやティーバッグでもいいですよ)、熱湯を注いでしばらく待って、熱いうちにいただく。

これはもう、ぜひ試してみてもらいたいです。
麦茶ってこんなに美味しかったんだと思っていただけると思います。

烏兎さんは麦茶ベースのブレンドは自分でよく飲むのですが、当店のお茶で、麦茶ベースのご依頼は少ないです。

ですがたまに麦茶ベースでご依頼をいただくときは、絶妙なブレンドでのチョイスが多く、そんな時はお茶通のお客さま・・・💓と密かに喜んでおります。

先ほど書いたように麦茶は体を冷やす働きがありますので、冷蔵庫などでさらに冷やしたものを日常的に飲むのは実はおススメできません。
(※注意 夏場は別です。昨今の気温を考えたら、急速に体の熱を冷ます必要がある場合がままあります)

体を冷ます作用があるものは、温かい状態で飲んでもきちんと体を冷ます方に働きます。

麦茶があまり好きではないという方は、もしかしたら冷たい麦茶を飲むことで体が冷えすぎてしまい、それによって拒む気持ちが生まれているのかもしれませんね。
(体に合うものは美味しく感じるようにできています)

あとは利尿作用が強いので、夜中にトイレで起きてしまう方も寝る前は避けた方がよいかもしれません。

夏場は少しずつ眠りに向かって体の熱を取っていくために、午後のお茶の時間に飲むなどがよいかもしれません。

そんなときはぜひ、大昔から「麦湯」という名前で飲まれていたことを思い出しながら、平安貴族のような気分でお飲みくださいね。

そうそう、烏兎さんの麦茶ベースは煮出しても水出しでも美味しく飲めるように、数種類の麦茶をブレンドしています。
意外と手間暇かけて作っていますので、麦茶ねーと思わず、一度お試しいただけたらと思います。

どのブレンドも、子供さんと一緒に飲みたいときはご相談いただけましたら、素材を変えたり調整してお作りしますのでお気軽にお知らせくださいね。

それでは、烏兎さんの今日の一杯は麦茶をお送りさせていただきました。

身近なお茶の再発見になってくれていたら幸いです。

ありがとうございました。

暦のお茶 烏兎