気の話
「気の話」なんていうと、ちょっと怪しい世界に引き込まれそうな感じがしちゃいますね。
精神世界に連れて行かれるか、はたまた、道着を着て『やーっ!』なんて投げられちゃいそうです(笑)
漢方では『気・血・水』という考え方があって、『気・血・水』は人の体を巡る大きな要素です。
今回はこの『気・血・水』から、『気』のお話をしたいと思います。
気の話
「気」という言葉を辞書で引くと、一番最初にこのように書いてあります。
「生命・意識・心などの状態や働き」
出典:デジタル大辞泉(小学館) https://dictionary.goo.ne.jp/jn/50061/meaning/m0u/
そのほかには、お天気などの自然現象や空気、雰囲気の気、なども気の仲間ですね。
実は暦(カレンダー)に『節気』という区切りがあるのですが、この暦の区切りも『気』で構成されています。
天体にも大地にも『気』という考え方はあって、そうすると、世界は『気』でできているといえるかもしれませんね。
人の体を流れる『気』は、「元気」とか「気力」とか「気が沈む」とか、そんな使い方をしますよね。
つまり、『気』とは、目には見えないけどそこにあって、それがたくさんあったり少なかったり、暗かったり明るかったりして、それで人の心と体が影響されている感じですよね。
元気の元になる「気」がいっぱいあれば、体調もよくて、気持ちも前向きで、多少ストレスを受けても跳ね返せるけれど、気が減ってくるとなんだか力がわかなくて、気持ちも沈みがちで、ストレスに弱くなったり、もっとひどくなると病気になってしまったり。
そうそう、「病は気から」って言葉がありますね。
この言葉は「病気なんて気の持ちよう!」という意味で使われますが、「気」が病んでしまうと病気になる!ということでもあるんですね。
「気」が弱って病気になる原因を考えると、疲れ、ストレス、食生活、運動不足などが考えられそうですね。
そう考えると、生活の中で気を元気にする方法はその逆で、
- 疲れを溜めない
- ストレスを逃がす
- 健康な食生活
- 適度な運動
などが考えられそうです。
病院に入院すると病気が治るのは、治療効果がもちろん一番だと思いますが、それ以外にも早寝早起き、栄養バランスのよい食事、そしてこれは病院にもよりますが、適度な運動を取り入れた生活を送ることで、体が整えられるという一面もありますよね。
ですので、規則正しく、栄養のある食生活をし、ストレスを溜めずに元気に暮らせばいいのですが「なかなかそうはできなくて」はおいといて、今日はそこからさらにもう一歩「気」の世界に踏み込んでみましょう。
漢方での気の話
漢方で気の状態がよいというのは、たくさんある「気」が滞りなく循環している状態です。
漢方では「気」は生命エネルギーと考えています。
気が足りない状態は「気虚(ききょ)」といって、気がどこかで詰まってしまって滞っている状態を「気滞(きたい)」といいます。
どちらもよい状態ではなく、気虚の人はしっかり気を補い、気滞の人はスムーズに気を流す必要がありますね。
さて、この「気」ですが、人には持って生まれた「先天の気」と、後天的に得ていく「後天の気」というものがあります。
持って生まれた先天の気を補うことはできませんが、後天の気は飲食物などから得ていますので、補っていくことができます。
食事で気を補う方法ですが、これはとっても簡単で、ご飯を食べれば元気が出ますよね?
お腹が空いていたら力もわきませんし、落ち込むことがあっても、ご飯を食べると元気になる!という人も多いと思います。
もちろん私も、食べることが大好きです♡
食事は生きていく基本で、食材には生命のエネルギーがたくさん詰まっているからこそ、人はそのエネルギーをいただき、生きていくことができます。
気が不足している方は、たくさんある食材の中で、特に気を補う食材が摂るとなおいいですね。
気を補うことができる食材は、お米、雑穀、ジャガイモやにんじんなどの根菜などですが、大地の気をいっぱい蓄えている食材と思うと、わかりやすいですね。
これらの食材を、温かく調理して食べます。
さらに冷えていたり、熱を持っていたりと、人それぞれの体質に合った食材を食べられれば、なおよいですね。
次に、生活習慣で気を補うためには、早寝早起きです。
これは烏兎でブレンドを午前中にしている理由ですが、午前中の気は陽の気といって、プラスの働きをしてくれます。
一方、午後の気は陰の気ですので、マイナスに働いてしまいます。
気を補うためには、午前中の気をたっぷり吸収する必要があるんですね。
今日は気の話なので詳しく書きませんが『気・血・水』の血は夜作られますので、早く寝るのも大事なことなんですよ。
気が不足すると疲れやすくなります。
疲れているから長く寝てしまい「午前中はずっと寝ていた」なんてパターンだと、午前中の陽の気を吸収できず、結局、いくら寝ても元気にならないということになります。
また、これはちょっとびっくりされる方もいるかもしれませんが「気を使う」という言葉がありますが「気を使う人」も気を消耗しています。
「性格なので」という方もいるかもしれませんが、人に対して気を使いすぎる方も、少し注意していった方がよいですね。
気を使うと気疲れしますよね。
気は生命エネルギーですので、消耗しない方がよく、大げさに言ってしまうと、気を使う人は命を消耗しているのと同じなんですよ。
その結果、優しい人ほど人のために病気になってしまいますね。
気は、目に見えません。
目に見えませんが、とっても大切なものです。
先ほどちょっと、烏兎では陽の気が入る午前中にブレンドをお作りしているとお伝えしましたが、なんでそんなことをわざわざしているのかといえば、烏兎では「気」という目に見えないものを大切にしているからなんです。
世の中の多くの人は、忙しくて、ご自身のことを丁寧に扱う時間がないですよね?
それもたいていは、人のためにです。
健康のためには「早寝早起きがいいですよ」と言われても、「わかっていたってできませんよ」という方がほとどんだと思います。
お茶にできることは本当に少ないと思いますが、忙しい方にこそ、ほんのひとときでもリラックスできる時間を持ってもらえたらといつも願っています。
烏兎ではブレンドの試飲をお作りする機会が多いのですが、お渡しする際には「ぜひゆっくり時間を取ってお飲みください」とお伝えしています。
ゆっくりお茶を飲む時間を作ってもらうことが、烏兎のお茶の一番最初の目的です。
ちょうど今日、ご注文をいただいたお客様。
子育て中でお仕事もしていて、それは今時は普通の事かもしれませんが、だからといって疲れないというわけではありませんよね。
「ゆっくりどうぞ」と試飲をお渡して、少し間が空いてからのご注文でしたが「ゆっくり、お茶の時間を取りたかったの」と仰っていただいたことが、本当に嬉しく思いました。
本当に、どんな方にも、ゆっくりお茶を飲む時間を作ってもらいたいなと心から思います。
「気」の世界を大切にする烏兎のお茶、ご縁がありましたら一度、お試しいただけましたら幸いです。
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