焙じて飲めば香ばしく飲みやすい、はぶ茶
ボチボチ更新烏兎の素材紹介コーナー、続いて本日ご紹介するのは第19弾、はぶ茶です。
アメリカ生まれの植物が日本でどのように用いられているか、ご紹介していきたいと思います。
焙じて飲めば香ばしく飲みやすい、はぶ茶
はぶ茶、というと日本ではほとんどの場合マメ科のエビスグサの種子(夷草、生薬名は決明子-ケツメイシ)を使ったものですが、実はもともと、はぶ茶は同じくマメ科のセンナ属、ハブソウの種子(波布草、生薬名は望江南-ボウコウナン)を使ったものでした。
どちらもアメリカ渡来の植物なのですが、南部生まれのハブソウよりも、北アメリカ大陸原産のエビスグサの方が日本の気候風土に適したようで、さらにこのふたつは薬効が大きく変わらないことから、栽培がしやすいエビスグサが多く用いられるようになったようです。
ですがハブソウを使って作った本来のはぶ茶を作っている農家さんもあり、特に高知ではハブソウで作ったはぶ茶がよく飲まれているようですよ。
当店で使っているはぶ茶はエビスグサの種子になります。
中国などでは種子を干しただけのものを煎じて飲むこともあるそうですが、エビスグサの種子はそのままでは青臭くかなりクセがあり飲みにくく、一般的には焙じたものが飲用にされています。
当店のはぶ茶もすでに焙じてあるもので、焙じはぶ茶となります。
エビスグサは栽培も手軽で種を蒔くと一週間ほどで発芽し、半年ほどで収穫できるそうです。
一般的には種を煎じて飲みますが葉にも同等のはたらきがあり、葉を煎じて飲むはぶ茶もあります。
はぶ茶、漢方では
はぶ茶の生薬名「決明子」は「明を開く(「決」には旧く、ひらくという意味があります)」という意味ですが、漢方で生薬として用いられるはぶ茶(決明子)の性質はこのようになっています。
- 五味:苦・甘
- 五性:涼
- 帰経:肝・大腸・腎
中医学の効能は引用でご紹介しますね。
これを漢方では決明子と呼び、種々の眼病、習慣性便秘、高血圧、肝炎、脚気、浮腫などに用いる。健康食品辞典 ハブ茶(エビスグサ) http://tanalog.com/taiseidrug/2006/01/03/1136239679549.html
こちらの健康食品辞典ではその他のはぶ茶に対する効能も多く掲載されておりますので、よろしければご覧になってみてください。
やはり代表的なものは明目、通便、利水作用のようですね。
はぶ茶の副作用、副反応
漢方生薬にも用いられるはぶ茶ですが、お茶として日常お飲みいただける食品ですので、重篤な副作用の懸念はなく、また、カフェインも含まれておりません。
ですが、熱を冷やすはたらきがあり緩やかであってもお通じを促す作用があるということは、やはり体質的に適している方、適していない方のあるハーブだと思います。
ウチダ和漢薬さんの生薬の玉手箱にもこのような記述があります。
いずれにせよ,決明子に弱いながらも瀉下作用があるからには,胃腸薬とは言え冷え性の人や虚弱な人には適していません.
株式会社ウチダ和漢薬 生薬の玉手箱 決明子(ケツメイシ) https://www.uchidawakanyaku.co.jp/tamatebako/shoyaku_s.html?page=047
ですので妊娠中もやはり気を付けた方がよいハーブのひとつかもしれませんね。
焙じはぶ茶の味は?
当店の焙じはぶ茶をご紹介します。
小さな黒い固い粒でできていて、煎れると焙煎が香ばしく、ほっこりと飲みやすいお茶になります。
前回お伝えしたメグスリノキ同様、目をいたわりたいときは、黒豆茶と合わせると良いかもしれませんね。
また、はぶ茶も単体ではなくメグスリノキやくこの実、菊花などと合わせてご自分のお好きなブレンドをお楽しみになるのもよいと思います。
ただ、副作用のところに書かせていただいたように、体質的に合わない方もおられると思います。
気になる方はまずは少量から試してみて、体の反応をよく感じ取っていかれるとよいですね。
それでは、今回の素材紹介ははぶ茶についてお届けしました。
次回更新も楽しみにしていてくださいませ。
ありがとうございました。
烏兎