香りが効く?菊の花について
大変間隔が開いてしまいましたm(__)m
さて、烏兎の素材紹介のコーナー、第11弾は菊花茶としてよく飲まれています、菊の花を取り上げます。
どうぞ最後までよろしくお付き合いください。
菊花とは
菊花は菊の花ですが、菊は品種の多い花で、お茶などに使われる菊花は食用菊(食菊)です。
食用菊といわれても、普段の生活で菊を食べることはあまりないかもしれませんね。
しいて探せばお刺身の上に乗っているものを見かけたことがあるという方が多いかもしれません。
あれはつま菊(小菊)という食用菊ですが、でも飾りのような感覚で、食べるという方は少数派ではないでしょうか?
ちなみに食べ方はご存知ですか?
花を細かくしてお醤油に浮かべて香りをつけるほか、お刺身と一緒に食べることで食中毒を予防してくれます。
薬膳料理にもよく使われますよね。
お料理の上に菊の花がはらりと浮かんでいると、とても華やかです。
食用菊は国産が多く、小菊も農家の方が一生懸命育ていてるものですし、お醤油に入れてもそれほど味が変わるわけではありませんので、お刺身を食べる時は積極的に食べるようにしたいですね。
さらに食用菊にもいろいろ種類があって、ピンク色をした別名を「もってのほか」や「カキノモト」と呼ばれる延命楽や、小菊よりもう少し大きい阿房宮など。
ちなみに漢方の生薬に使われる菊では、白菊花と黄菊花で効能にやや違いがあります。
菊の御紋は天皇家やパスポートに使われているくらいですから、菊というと日本のものという印象がありますが、もともとは中国から薬用植物として伝わったものです。
このように食用や生薬としても利用される菊花ですが、こうしてみると食べるよりも、菊花茶としてハーブティなどで飲まれることがもっとも多いかもしれません。
手作り菊花茶の作り方
菊花茶は中国や台湾でよく飲まれている花茶のひとつで、菊花のみをハーブティーにして飲むほか、プーアル茶やウーロン茶と一緒に煎れて飲むこともあります。
菊花のみでお飲みになればもちろんノンカフェインですので、カフェインが苦手な方や遅い時間に飲む場合には、そのようにして飲むとよいかもしれませんね。
菊花茶の飲み方としてはそのほか、先ほどお伝えした食用菊の花をほぐしてお茶に浮かべても立派な菊花茶になります。
抽出するには乾燥してある方がよく味が出ますので、栽培したものを干して自家製菊花茶をお作りになったり、菊花茶として販売してる乾燥菊をお求めになるとよいかもしれませんね。
菊花茶の飲み方などは特にありませんが、質の良い菊花をたっぷり使えば、二煎目、三煎目と楽しめます。
クコの実やナツメをトッピングに加えても美味しいと思います。
もちろん菊花もクコの実も食用ですので、飲んだ後で食べることもできます。
特にクコと菊花は相性がよい素材ですので(漢方では対薬と呼んだりしますね)、クコの葉やクコの実などと一緒に飲まれるとよいと思いますよ。
菊花酒もよく作られていますね。
中国などはわりとなんでもお酒に漬けて、植物から生物まで、レパートリーは山のようにあります。
ちなみに、ハーブティでよく飲まれているカモミールもキク科の植物です。
菊花茶とは分けて分類されますが、確かに性質もやや異なっているように思います。
菊花のはたらき
さてそんな菊花には、どんなはたらきが注目されているのでしょう。
研究報告がされているのは、解毒物質(株式会社ポーラ)、発ガン効果の抑制、コレステロール低下、中性脂肪の低下(日本大学薬学部・理学部 山形県衛生研究所)があります。
そのほか菊花はビタミン、ミネラルを多く含み、特にビタミンB群は抗酸化作能力の高い栄養素ですので、アンチエイジング効果にも注目されています。
しかし菊花茶といってもっとも最初に浮かぶはたらきは、目に対するものではないかと思います。
西洋では目に良い食べ物といえばブルーベリーですが、中国や台湾では菊の花がそれにあたります。
中国や台湾では眼精疲労、充血、かすみ目、結膜炎、視力の低下など、目のトラブルには菊花という感じで飲まれていますね。
もちろんほかにも多くの効果が期待されていて、市販の菊花茶にはリラックスやアンチエイジング、美肌などを謳ったものが多く見受けられます。
とはいえ、ハトムギの時にも書きましたが、なんでも鵜呑みにするのは危険です。
よく気を付けたいところですね。
また、少し変わった使い方としては菊花を枕に入れる菊花枕という使い方もあります。
安眠枕として販売していたりしますよ。
いつも楽しく読んでいるウチダ和漢薬 生薬の玉手箱というページによると、菊花は香りの部分に働きがあるのではないかと考察されています。
確かに菊の花は独特の香りがありますね。
菊花茶もふわっと香る菊花の香りが多くの方に好まれていますが、ややクセがあり、嫌いだという方もいます。
香りに好き嫌いがあって当然ですが、菊の香りが嫌いという方は、菊花が合わない可能性があるのかもしれませんね。
漢方での菊花のはたらき
さて、漢方では、菊花はこのようになっています。
- 五味:甘、苦
- 五性:微寒
- 帰経:肺、肝
明目の働きがあるため、目の症状に対応しています。
熱を冷まして解毒するため、炎症の症状に対応します。
また菊花は体の上部の症状によく、頭痛やめまい、のぼせなどにも用いられます。
風邪のひきはじめの頭痛やのどの痛みなどにもよいですが、菊の季節は秋で空気が乾燥し、風邪などもひきはじめる頃ですから、本当に自然ってよくできていますよね。
イライラして頭に血が上る、なんて時にも菊花を用いるとよいようです。
菊花茶の副作用は?
菊花茶自体は食品ですので、飲んで副作用が何かあるということはないのですが、冷性なのであまりたくさん飲みすぎない方がいいですね。
妊娠中や生理中も、冷性のものは控えた方がよいと思います。
また、菊アレルギーのある方はもちろんお飲みいただけません。
菊花茶の味は?
菊の花には軽い苦みがありますが、お茶にしたときの味はそれほど強くはなく、何よりも香りに特徴のあるお茶です。
この香りは好き嫌いが別れ、香りが強い分、合う人と合わない人がいるようです。
烏兎さんの周りでは、小中学生までの子供さんはほとんど全滅で、苦手と言ってました。
高校生くらいになると、美味しく感じるようです。
クコの実のところでも触れましたが、例えば種などはそれひとつが大木になるような、エネルギーの源が入っているわけです。
口にする方にもそれを取りこんで力に変えるだけのエネルギーが必要で、それに負けてしまうと受け付けないのかもしれません。
ですのでどんなに「〇〇にいい」と言われる物でも、やっぱり一番大切なのは自分自身の身体に合って、良い働きをしてくれるかどうかです。
それにはもちろん試していくしかないのですが、謳われている効果効能やいわゆる口コミだけを盲信するのは、ご注意いただけたらと思います。
それでは、今日は烏兎の素材紹介から菊の花をお伝えしました。
また次を楽しみにお待ちください。
ありがとうございました。