実はすごくいい!水出しのお茶のススメ
こんにちは。
烏兎のマスターです。
当店のオリジナルブレンドに新作を加えました。
水出しハーブティはあり?なし?
夏のブレンドです。
このお茶の特徴は、当店のハーブティをアイスで飲んでもらえるようにという点でした。
健康面からいえば、冷たい飲み物はNGなんですよね。
特に昨今はどこに行っても冷房が普及していることもあり、冷え症の方が多いですので、冷たいものの摂取は避けたいところです。
漢方では体を冷ます必要がある場合も、五性で「寒性」または「微寒」や「涼性」などの性質を持った食材を、体温以上に温めて食べるのが基本です。
体温以上というと常温でもNGになってしまうのですが、そうはいってもここ数年の夏の暑さはひどいものがありますよね。
熱中症で亡くなる方も毎年何人もいますし、冷えた飲み物を飲んで短時間に体温を下げる必要がある場面も、多くなってきました。
夏も温かいものを飲食するのは理想的ではありますが、真夏の炎天下では冷たい飲み物を飲まずにはいられませんよね。
であれば、ジュースや炭酸飲料などよりも、少しでも体によいものを飲んでもらいたいと思うんです。
そのために試行錯誤を繰り返して出来上がったのが夏のブレンドです。
そんな夏のお茶から、こちらのブログでは「水出し茶」について書きたいと思います。
今日は水出し緑茶や水出し紅茶について書かせていただきますので、ぜひごゆっくりお読みください。
水出し茶って特別な茶葉なの?
まずは夏のブレンド、水出し、お湯出し両用で出させていただいています。
実はもともと、ほとんどのお茶で「水出し専用茶葉」というものは存在しないんですよね。
例えば珈琲はアイスで飲むのに適した味があり、それにはやはり深煎りでコクがある豆が選ばれます。
浅煎りの豆を使った珈琲を冷たくして飲むと「酸味が強くて薄い珈琲」という味になってしまいますね。
珈琲を水出しで飲むときは、細挽きに粉砕してあるか、ダッチコーヒー用の器具を使って落とすなどですので、なんとなく、どんな飲み物にも水出し専用の茶葉があるように感じてしまいますね。
紅茶の場合もアイスティーにはアッサムやアールグレイなどインパクトのある茶葉が好まれるようですが、ウバやダージリンなどでももちろん美味しいアイスティーが作れます。
そして日本茶も、水出し用に特別な茶葉があるわけではなく、そうですね、粉砕を細かくしているということはあるかもしれませんが、普通に飲んでいるお茶と違いがあるわけではないんですよ。
つまり、水出し茶は濃い目の味が出る茶葉を使っていたり、細かく粉砕していて、抽出しやすくしてあるお茶ということですね。
※溶けやすくするために添加物が加えられているものや滅菌処理が施されている茶葉もあります。
滅菌を行いたい場合は、熱湯で抽出してから水や氷を加えればOKです。
当店のお茶の場合は、水出しでもお湯出しでも、そして煮出しでも飲んでいただけるように、バランスの良い状態でお作りしています。
こちらはむしろ、お湯出し、水出し、両方で味わっていただきたいお茶ですが、実は水出し茶にはよい効能がたくさんあります。
では、水出し茶の良さについてお伝えしようと思います。
水出し茶の効能
水出し茶にはよいポイントがたくさんあります。
まず、緑茶だけでなく、紅茶、ウーロン茶、コーヒーなどに共通するのはカフェインやタンニンの抽出が抑えられることですね。
緑茶の場合は、 「宵越しのお茶は飲まない」 飲む分だけをちょうどよく という記事に少し書かせていただきましたが、水出しで淹れると、カフェインやカテキンを抑え、旨みの素になるテアニンや熱で壊れやすいビタミンCが破壊されずに残ります。
苦味や渋味が抑えられ、甘みが増し、美容にもよいお茶になりますね。
また、健康面では免疫力を向上させるエピガロカテキン(EGC)は低温で抽出することで浸出します。
※抗酸化作用やインフルエンザの予防によいとされるエピガロカテキンガレート(EGCG)は逆に80°以上で抽出されます。緑茶はお湯出しでよし、水出しでよしの飲み物というわけですね。
※緑茶、紅茶、ウーロン茶の違いは発酵の違いですので、同じものと考えてください。
※ジャスミン茶も多くが緑茶やウーロン茶に茉莉花の花弁を加え、香りを付けたものになりますので、やはり同じ茶葉と考えてください。
※麦茶は大麦を焙煎したものですね。もともとカフェインは入っていません。
この中で特に最近注目されているのは、先ほどちょっと触れた「テアニン」ですね。
テアニンにはリラックス効果があり、睡眠の質を高めると言われています。
テアニンの効果が1時間ほどとされていますので、寝る前に飲むことでよい眠りを導けると考えられています。
漢方でも夏は心の働きが活発になることで、不眠の悩みも増えてきます。
ですので、水出しのお茶は季節的にも合っているということですね。
水出し茶の日持ち、危険
こちらも 「宵越しのお茶は飲まない」 飲む分だけをちょうどよく に書きましたが、お茶から溶け出したカテキンが酸化によって変化し、タンパク質が腐敗することで健康被害を起こすことがあります。
水出しでお茶を淹れることで酸化を遅らせることができますが、やはり長くは置かず、作った水出し茶はその日のうちに飲み切ってしまうことをお勧めします。
また、茶葉は入れたままにせず、抽出された頃に取り出しておきます。
飲み切れなかった水出し茶は、凍らせてしまうといいですね。
製氷皿などに入れて凍らせておくと、便利です。
また、水出しでお茶を煎れる危険についてですが、お湯出しの場合、熱によって茶葉が滅菌されます。
水道水も細菌の繁殖を防ぐために塩素が加えられていますが、夏場はやはり細菌感染には敏感になりますよね。
気になる場合はまず熱湯で少量抽出してから、氷や水を加えていただくとよいかと思います。
近頃は水出し用のポットやボトルも使いやすくセンスのよいものが増えてきていますので、お気に入りのポットを使って作るのもいいですし、茶濾しつきで茶葉を入れたまま飲めるようなものもありますよね。
ボトルは当店でもいつかノベルティグッズで作りたい・・・と思いながら指をくわえているのですが(;_;)
さて、今日は水出しのお茶について書かせていただきました。
このように効能などたくさんの利点がある水出し茶ですが、抽出される成分の違いから、お湯で飲む場合とは、味もずいぶん違うように感じます。
先ほども夏のお茶をホットとアイスで飲んでいただきたいと書きましたが、水出しは濁りが少ない分、やはり味がすっきりしています。
人によっては「薄い」と感じるかもしれません。
しかし、冷たいのど越しの後の軽いお茶の香り。
緑茶のみならず、玄米茶やほうじ茶、三年番茶でも感じられるほのかなお茶の香りは、上品という言葉がぴったりです。
試してみて物足りない方はお湯出しから作っていただけたらと思いますし、煮出して煮詰めて飲むのが王道という方は、そのように飲んでいただくのももちろんありです。
ぜひ一度、水出し茶を試してみてくださいませ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
どうぞまた次の記事を楽しみにお待ちください。
烏兎
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